依頼をするメリット
公正証書を作成する場合、必ずしも行政書士や弁護士に依頼をする必要はありません。
公証役場は公的機関であり、公正証書の作成者である公証人は、裁判官や検察官などの法律の専門家の中から特別に法務大臣の認定をうけた準公務員です。
公正証書は、当事者が揃って公証役場に出向き、作成したい内容を公証人に伝えれば作成をして貰うことが可能です。
ただし、公正証書の作成にかかる協議や、公正証書以外の手続きについては公証人の職務範囲外であります。
離婚協議の支援
司法統計によると、全体の離婚件数のうち、裁判や調停によらない「協議離婚」が約90%となっています。
つまり、大抵の事案は、当事者の協議によって合意をしているのです。
当事務所では、協議の利便や円滑、および紛争予防のために、協議に必要となる各種の資料や情報の提供をしております。
また、協議書や公正証書作成のための法律常識的な範囲での助言やアドバイスもしております。
法的な紛争と言える程度にこじれてしまっている事案や、協議することの出来ない事案については、必要に応じて弁護士を紹介しております。
専門特化の優位性
当事務所では、取扱業務を制限することによって高い専門性を維持し、質の高い文書を作成・提供できるように勤めております。
また、これまでの膨大な取扱経験から、豊富なフォーマットを取り揃えているからこそ、効率よくスピーディーに、そして格安でサービスを提供出来るようにしているのです。
時間的・距離的な事情
もっとも、公正証書を作成するには、通常、当事者が揃って、平日の日中に時間を取って公証役場に最低2回足を運ぶという必要があります。
仕事などの事情でなかなか難しい方も多くいると思います。
また、条件面ではおおよその合意が得られているものの、顔を合わせるとついつい感情的になって口論になりかねないから会いたくないという場合や別居して居住地が離れているために距離的な問題で難しいという場合もあります。
入院・服役などの事情でが障害となっている場合も意外と多くありますし、なかにはDVによる接近禁止命令が出ていたりシェルター入所されているという特殊なケースもあります。
当事務所では、原則として、お二人の嘱託代理人として、公証役場への出頭と手続きを行います。
つまり、いずれも公証役場へ出頭する必要がなく、顔を会わせる必要もないのです。
公証人の職務上の制限
公証人の職務は、適法性に問題点が無いか、取り決め内容に瑕疵や不備が無いか、当事者本人で間違いが無いか、などをチェックして、当事者の意向を、その趣旨や条件を変えることなく、正確に公正証書にすることです。
公証人は中立な立場であるため、当事者が取り決めた契約の条件内容について法的な疑義や違法性がない限り、いずれか一方だけが有利(または不利)となるような助言やアドバイスをすることはできません。
意外と多いのですが、金銭分与や慰謝料の分割払いを定めているのに、「期限の利益喪失」や「遅延損害金」「強制執行認諾条項」の記載されていない公正証書を見かけます。
そして、そのような公正証書の当事者本人は、そのような記載や方法があることを何も知らなかったし説明を聞いていなかったとおっしゃることがほとんどです。
お子様の進学や退職金の支給などについて、一般には「別途協議する」という趣旨の条項を記載することが一般的ですが、具体的な金額や弁済期限が確定していない金銭債務については、公正証書による強制執行を申し立てることは出来ません。
そのため、もしも金額が時期が明らかな場合には、公正証書に、その具体的な金額と期限を明記することで、その部分についても強制執行を行うことが可能になります。
もちろん、これらは将来的な弁済を確実にするための工夫であって、法律上の必要な項目ではありません。
おそらくは、そのような条項は定めるかどうかも当事者の自由ですから、当事者から求められていない以上、公証人が独断で加筆するようなことはしないでしょうし、債権者にとってのみ有利となる条項であるから、わざわざ助言をしなかったのだろうと思います。
ただ、離婚公正証書というのは、契約書の一種でありますから、何よりも一番重要な点は、どのような文言をどのように記載するか、ということだと思うのです。
公証人は、法律のプロではありますが、いずれか一方から依頼を受けた代理人でもありませんし、決して文書作成の実務的な専門家ではありません。
その他の工夫
その他、法律上定めるべき必要項目では無いながらも、記載しておくべきである項目というのは、実は数多くあります。
万が一、親権者が他界してしまった場合に、未成年の子の後見人を誰にしておくかを定めておくとか、婚姻期間中の夫婦した知りえない情報の口外禁止の定めをしておいたりすることもできます。
お子様の養育費については、いくら公正証書を作成しても、不慮の事故や病気によって支払不能になってしまった場合、支給してもらえないことになります。
そのような事態に備えて、必要に応じて定期給付型の生命保険に加入してもらう、等の方法もあります。
また、金銭債務については、銀行などの金融機関において「自動送金」というオプションサービスがあります。
このサービスを利用することにより、事情によって振込の手続きにいけないような場合でも安全に送金手配を完了することができます。
状況によっては、公証人手数料を安くするための書き方の工夫などもアドバイスすることが出来ます。
依頼することによる事実上の効果
あるNPO法人が調査した統計によると、平均的な公正証書の履行率は僅か45%程度となっておりましたが、当事務所が手がけた公正証書は、履行率が95%を超えています。
公正証書の文中に、代理人として行政書士などの国家資格者の職名が記載されていることだけでも、一定の証書に対する信頼性を補強する効果が得られている可能性はあるかと思います。
公証人や公証役場の選択
離婚という夫婦間の身分行為に関わる問題ですので、例えば金銭債務に連帯保証人を付けるということについて、公証人によっては認めていない場合も多くあります。
また、離婚でない「夫婦間合意契約書」などについても公正証書として作成することを公証人に拒否される場合も多いです。
つまり、公証人によって、作成する証書の種類や定める項目などについて、認める範囲と認めない範囲が異なるのです。
さらには、表記の仕方一つで、強制執行の申立が可能になるかならないか、という重要な問題に発展する場合もあります。
よって、書面の作成や定める項目について、どうしても譲れないという場合は、別の公証役場に変えて作成してもらうというケースもあります。
公正証書作成以外のフォロー
公正証書の作成後においても、不動産の所有権移転手続きが必要であれば司法書士に依頼する必要がありますし、自動車の名義変更や許認可の手続きなどは行政書士の仕事です。
当事務所であれば、必要に応じて、そのような他士業の専門家を紹介することも可能です。
事情によって離婚届の証人を頼める人がいない、あるいは頼みづらい、という事情がある場合には、離婚届の証人を代行しております。
金銭の支払を確認してから離婚届の提出をしたい、などという場合に、事前に署名捺印を済ませた離婚届を預かって保管しておく、などのサポートをすることも可能です。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。